食とは命を継ぐもの。
近年、輸入品を国産と偽ったり、事故米を食用に転用したり、基準値を超える農薬が残留する食品が流通するなどの事件の影響もあり、食の安全に対する関心と懸念が、ますます高まっていますが、それらの事件が起こる背景には、「食と農(=食料生産の現場)の距離の拡大」がひとつの大きな共有要因であると考えています。食は本来、地産地消で、食と農は近接し、消費者と生産者は”顔の見える関係”でした。それが今の日本では、国内農地の2.5倍に相当する耕地面積を海外に頼っており、さらに、世界的に水不足な状況において、年間約640億トンのバーチャルウオーター(仮想水)を輸入していると言われています。食を効率面のみで追求し続けた歪みが、事件となって表面化しているのです。
これだけ安全な食へのニーズは高まっているのに、安全な野菜の安定供給にはまだまだ課題は多いのが現状で、しかも農業に対する新しい動きはほとんど起きていません。聞こえてくるのは、農家の高齢化や後継者不足といった、悲観的な内容ばかりです。行き過ぎた商業主義がもたらした偽装、残留農薬、食物連鎖からも広がっている汚染は今も拡大を続けています。食の否定は命の否定と同義です。今すぐ、なんとかせねばなりません。日本グリーンファームは、完全閉鎖制御型植物育成装置「グリーンシャトー」を通じて、次世代につながる農業の新しいあり方を常に模索・提案し、人の命に貢献し続けてまいります。